「音」の遷移
どこへ行ったの?
さっきまでいたと思ったのに。
ついさっき、音がしたはずなのに・・・。
そう、「音」がした瞬間、その「音」は
もうそこにはいない。
と、ふと思った。
絵を描けば、次の瞬間もそこにある。
文字を書けば、次の瞬間もそこにある。
歌を歌えば、声を発せれば、次の瞬間、もうそこにはない。
音ってなんでしょか?
「ねぇねぇ」って言った瞬間、
もうそこにはその音はなく、双方の頭の中に保存されるのみ。
つい数年前、被験者になって、こんな実験をされたことがある。
「聞いた音を、どれだけ頭の中に残しているか」と。
ある一定のサウンドを聴かされる。
そして、数秒後、ある一定のサウンドと同じような、そしてやや違う
音を聴かれる。
差異はどこにあるか。前者をどれだけ保存して後者を聴くのか、と。
録音とはちと違う、脳内での保存。
百聞は一見にしかず。
何度聞いても忘れちゃうんだよねぇ。とか言ってみた。