初島の旅 ver.02
「お友達は誰?」
そう聞かれたら
「太陽です」
そんな気分にさせてくれた初島の旅。
こっちへ行っても、あっちへ行っても太陽と一緒。
ちょっと歩いて、海と出会い。
後ろへ戻っても、また海と出会い。
そんな自然に溢れた、否、自然が溢れ出した初島だった。
初島には音があった。
いつも静かな自然の中にいた。
しかしここは、常に波の音があった。
私が生まれる前から、そしてこれからもずっと音がある。
そんな初島を思い出していたら・・また思い出してしまった。
奴の言動を・・同行人の恐怖の言動を・・。
「海の水温を知りたい~!!」
といって、初島で初めて海水に触れた、その刹那・・
「ガブリ」
と、さっそくカニに手を噛まれていた・・。
そしてこう叫んでいた・・。
「初島全土のカニを食い尽くしてやる!!」
その顔はまるで、般若だった。