重みは21g | Five seasons 

重みは21g

21g


「21g」?


誰もが皆、21gだけ軽くなって、あの世へ行くらしい・・。


チョコバー1本の重さと同じ21gが、果たして軽いのか、はて重いのか・・。


この映画、21gは重いと言っておる。


心臓の移植から始まる、絡まる3人。

移植をする者。

移植される者。

移植させた者。

移植に追い込んだ者。

生きる者。死す者。死へ追いやった者。

常に死と隣り合わせの者ばかりが、登場する。


臓器移植という、敏感になりがちな映画だが、

生命倫理というテーマにはあまり触れず、

移植した後の、人間関係を上手に描いていた。


メインの3人は常に葛藤している。

いつも葛藤してる。

自分の心臓の持ち主を捜してみたり・・・

神が自分を裏切ったと、神を疑ってみたり・・・

パートナーの心臓を持つ被移植者を愛してみたり・・・


全て知る必要がなかったかも知れない3人が、

心臓の移植を通じて出会ってしまったようだ。


誰を憎しみ、誰を愛せばよろしいのか、みな迷っているようで、

結局最後は、憎しみによって膜を閉じることになったわけで。。


全体を通じて、

「人生は続く・・・」

ということを何度も言っていた。。


そう、どれだけ悩み、どれだけ憎しみ、どれだけ悲しんでも、

人生は続くのだと。


観賞後、すっきり納得!!

という映画ではなかったが、

3人それぞれに感情移入できた。

が、しかし誰か1人に浸ってしまうほどの感情も生まれなかった。